Moscoso モスコーソ(西)
概要
ガリシアmosca「蠅」に形容詞形成接尾辞-osoが接続して生じたガリシア語の地名由来。「蠅が沢山いる地」の意。
詳細
Sancho Sanchez de Moscoso Comendador de Ricote(1353年Ricote(ムルシア州):修道院長)1
Rodricum Moſcoſum virum Gallecum, Comitem Altomiræ(1509年Altamira)2
D. Balthasarem Moſcoſum(1648年Toledo(カスティーリャ=ラ・マンチャ州))3

地名姓。ベネズエラの野球選手ギジェルモ・モスコーソ(Guillermo Alejandro Moscoso:1983.11.14 Maracay(アラグア州)~)の 姓。スペイン北西部(ガリシア州)と南西部(アンダルシア州西部)に多い。ガリシア語の以下に挙げる地名に由来する。

Moscoso(ガリシア州ポンテべドラ(Pontevedra)県 ポンテ・サンパイオ(Ponte Sampaio)教区フラガ・ド・レイ(Fraga do Rei))

Moscoso (ガリシア州ア・コルーニャ(A Coruña)県オサ(Oza)教区)

Moscoso(ガリシア州ア・コルーニャ県オルデス(Ordes)教区メソン・ド・ベント (Mesón Do Vento))

地名はいずれもガリシアmosca「蠅」4(←ラmusca「蠅」)に形容詞形成接尾辞-oso≪男性形≫が接続して生じたもので、 「蠅が沢山いる場所」の意(地名の古形は語源が明白なので省略・・・、というか調べるのが物凄く大変なので・・・略!!)。

尚、全く同綴りの姓がイタリアにも極めて稀だが存在し、ティボンのスペイン姓語源辞典にもMoscoso姓はイタリア起源と している。実際12世紀末ナポリにBernardus de Muſcoſoという人名が見える(オートヴィル朝シチリア王国のグリエルモ2世 (在位:1166年~1189年)治世時)。記録によれば、この人物は地主か貴族らしくMuscosumという場所に領土を持っていたと書か れているので(tenet Muſcoſum feud. 4. mil.)5、ナポリ近郊に存在した 地名に基づく地名姓と考えられる。但し、先述の通り現在のイタリアには殆ど分布していないので現存するのは、 スペインからの流入の可能性有り。
[Tibón(1988)p.163]
1 Govert Westerveld "De Negra a Blanca. vol.2"(2015)p.522
2 Pietro Martire d' Anghiera "Opus Epistolarum."(1670)p.217
3 Nicolás Antonio "Bibliotheca Hispana nova sive Hispanorum scriptorum qui ab anno 1500 ad 1684."(1788)p.363
4 Marcial Valladares Núñez "Diccionario gallego-castellano."(1884)p.394
5 Gennaro Grande "Origine de' cognomi gentilizi nel Regno di Napoli."(1756)p.281

更新履歴:
2016年10月13日  初稿アップ
PIE語根Mos-c-o-so: 1.*mu-「ブヨ、蠅」; 2.*-ko- 形容詞・名詞形成接尾辞; 3.*-went- 形容詞形成接尾辞; 4.*-to- 分詞・形容詞形成接尾辞

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