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Merkel メルケル(独)
概要
①古高独,古ザクセンmarka「境界、国境」を第一要素に持つ男名の短縮名、古高独*Markilo,中高独Markeleに由来。
②ラテン語の男子名Marcus(語源不明)の短縮名に由来。
詳細
Jacobus Merkel(1417年)1
Michil Merckel(1439年)1
Ffayth Merkl(1535年Uttigsdorf)1

ドイツ語県全域に見られるが、バーデン=ヴュルテンベルク州北西部、ザクセン州西部に比較的多い。二つの異なった起源を持つ。
①父称姓。古高独marka「国境、境界、端」2(>独Mark)、古ザクセンmarka「境界、地域」2を 第一要素に持つ様々な男名、例えばマルクボド(Marcbodo)3、マルクフリド(Marcfrid)3、 マルクハルド(Marchard)3、マルカマル(Marcamar)3、マルクリーク(Marcric) 3、マルクワルド(Marc(h)ward)3、マルクルフ(Marculf)3等の 短縮名である古高独*Markilo、中高独Markele(1350年Wetzlar)4、Merkele(1298年Breslau)4に 由来する。即ち、「境ちゃん」みたいな意味の名前である。古高独-ilo,中高独-eleは指小辞。
[Gottschald(1982)p.342,Kohlheim(2000)p.453,Bahlow(2002)p.328,Naumann(2007)p.194,Heintze(1903)p.170,Feinig(2004)p.157,Schwarz(1973)p.200]
②父称姓。ラテン語の男子名Marcusがドイツに借用され、更にスラヴ人に借用され、指小辞*-ilŭが接続して生じた個人名に由来する。ラテン語の 男子名Marcusの語源は不明。ローマ神話の軍神マールス(Mārs)に由来すると見る説や5、ヘブライMar Chusi「黒き主」に 由来するとする説6などがある。cf.マルクーゼ(Marcuse)
[Gottschald(1982)p.341,ONC(2002)p.403]
◆古高独,古ザクセンmarka「国境」←ゲルマン*markō(ō語幹女性名詞)「国境、境界」(古英me(a)rc「境界、境界標、標識」,古フリジアmerke「境界、国境」 ,古低フランクgimerki「境界」,古ノルドmǫrk「森」,ゴートmarka「境界、国境、境界標」)←PIE*merg-「縁、境界」(ラmargō「縁、境界」,古アイルランド mruig「境界、地域」,ペルシアmarz「境界、地域」)7
1 Schwarz(1973)p.200
2 Köbler idgW M項p.56
3 Förstemann(1966)sp.912-916
4 Bahlow(2002)p.328
5 ONC(2002)p.403、英語語源辞典p.862
6 Gottschald(1982)p.341
7 英語語源辞典p.862、Watkins(2000)p.55、Pokorny(1959)p.738、Köbler idgW M項p.56

執筆記録:
20年月日  初稿アップ
PIE語根①Merk-el:1.*merg-「縁、境界」;2.*-lo-指小辞

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