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Bott ボット
概要
古仏bot「ヒキガエル」「大きな酒瓶」に由来。又は、「使者」を意味する男名起源。
詳細
Walter Botte(1189年Oxfordshire)1
Richard Bot(1212年Hampshire)1
Walter le Botte(1279年Oxfordshire)1

ニックネーム姓、父称姓。『ドゥームズ・デイ・ブック』(1086年)にAldred BotとAlrebot(同一人物と考えられる)の名の記録が 有り、テングヴィク(Tengvik)は古期英語の渾名ブット(*Butt)であると見なしている。リーニーはこの説に反対しており、 古仏bot「ヒキガエル」2, 3に因む渾名起源か、古期英語の男子名ボッタ(Botta)起源を想定している (後者の説はハリソンも採用している)。この男子名は、サール(William George Searle)によれば、697年にケントで証人として記録が有り4、またバッキンガムシャー州の地名ボトリィ (Botley)の第一要素にも見える(地名初出:Bottlea(1167年)5)。英国の父称姓ボッティング(Botting)もこの男名に起源を 持つ。然し、男名Bottaそのものの語源は良く判らない。ハリソンはこの男名を古英boda,古高独boto「使者、伝令」と結び付けている (cf.ボード(Bode))。
又ONCによれば「酒樽」を意味する古仏botに由来するという説も挙げている。これは、古仏bo(u)t,bous(t),but「(液体を)入れる 皮袋、大きな酒瓶、液体を入れる大容量の食卓用容器」6に語源を求めているのだろう(cf.ベドノ ルツ(Bednorz)、ベットヒャー(Böttcher))。この場合は、そういった容器を作る職人や 、体形を暗喩した渾名に因む姓とも考えられる。綴りの短い姓なので語源の特定が 難しく、どの説でも有り得そうだ。上掲の古い記録の中では、le Botteと冠詞のleが付いてるのは渾名に因んでいる。
[Reaney(1995)p.55,Harrison(1912-1918)p.42,ONC(2002)p.83]
◆古仏bot「ヒキガエル」←(?)ゲルマン*butta,bŭtt「(刃が)鈍くなった」3。ロベール仏和大辞典には仏bot「(手足が)湾曲した 」の語源を前述のゲルマン語に求め、古仏bot「ヒキガエル」と同根とする。ケーブラーはゲルマン*butti「丸太」,*butti- 「桶、背負い籠」という語を挙げており7、後者の語をPIE*b(h)eu-「膨らむ」に遡らせている。英語語源辞典意は他にも PIE*beu-(こもった音・含み声等を表す擬音語)の語根を掲載しており、古仏bot「ヒキガエル」はこれらの語根のいずれかから 来てる様にみえる(本当かどうかは判らない)。
1 Reaney(1995)p.55
2 Godefroy vol.1 p.692
3 ロベール仏和大辞典p.293
4 Searle(1969)p.112
5 ONC(2002)p.952
6 Godefroy vol.1 p.709
7 Köbler gmW B項p.187

執筆記録:
20年2月12日  初稿アップ
PIE語根Bott:1.(?)*bheudh-「用心する、警戒する」、或いは(?)*b(h)eu-「膨らむ」

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