概要
ニックネーム姓。「大修道院長」を意味する。
詳細
Walter Abbot(12世紀)1
Walter Abat(1219年)1
William le Abbot(1237年)1
ニックネーム姓。古英abbod,後期古英abbot,abbat「大修道院長」(>英abbot)に由来し、
大修道院長の家庭に雇われていた人物か、或いは修道院長の様に見た目では信心深く見える
人に与えられた渾名に因む姓と考えられている。初期のラテン語による記録では、
Alfwoldus abbas(1111~1117年Norfolk)の様に、実際に修道院長の任に在った者が名乗ったケースもあるが、
これが現行の姓の由来元とは考えがたい。聖職者は表面上は独身を貫いておらねばならなかったので、
家族名が継承される事は起きないはずである。冒頭の人名3例もニックネームである。
尚、ハリソンによればエイブラハム(Abraham)、アベル(Abel)、アブサロム(Absalom)の
短縮形にフランス語起源の指称辞-otが付いて生じた個人名に因むとの説も提示している。
イタリアの指揮者クラウディオ・アッバード(Claudio Abbado)の姓も「大修道院長」を意味し同語源。
[Reaney(1995)p.1,ONC(2002)p.11,Harrison(1912-1918)p.1]
◆←後ラabbātem,abbādem(≪主格形≫abbās)←ギabbâ,abbás←アラム*abbā(āはアクサン=テギュ)「父」
1 Reaney(1995)p.1
執筆記録:
2010年11月22日 初稿アップ
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