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Wöhrer ヴェーラー
概要
「川中島の住人」を意味する姓。或いは同源の地名より。
詳細
居住地姓、地名姓。バイエルン州南東部、トラウンシュタイン(Traunstein)、ローゼンハイム(Rosenheim)両郡に集住する。 中高独werde「島、川中島、砂嘴(サシ)」(>独Wörth)の変形の一つwöhr2に由来。 「(川中)島の住人」を表す姓。又以下の同語源のヴェーア(Wöhr)という地名に由来する。
●ヴェーア(Wöhr)(バイエルン州/オーバーバイエルン行政区域/ローゼンハイム郡/エックシュテット(Eggstätt)村)
古形確認できず

●ヴェーア(Wöhr)(バイエルン州/ニーダーバイエルン行政区域/ロートタール=イン(Rottal-Inn)郡/ガングコーフェン (Gangkofen)村)
古形確認できず

●ヴェーア(Wöhr)(バイエルン州/オーバーバイエルン行政区域/ダッハウ(Dachau)郡/マルクト=インダースドルフ (Markt Indersdorf)村)
Werd bey Geisenfelt(年)4

●ヴェーア(Wöhr)(バイエルン州/オーバーバイエルン行政区域/プファッフェンホーフェン(Pfaffenhofen an der Ilm)郡/ ミュンヒスミュンスター(Münchsmünster)村)
De Werida(1100年頃)5
ze Werde(1231年)5
ze Nydern Werde(1363年)6

●ヴェーア(Wöhr)(バイエルン州/ニーダーバイエルン行政区域/ケルハイム(Kelheim)郡/ノイシュタット=アン=デア= ドナウ(Neustadt an der Donau)町)
In dem ampte ze Werde(1450年)7

●ヴェーア(Wöhr)(バイエルン州/オーバーフランケン行政区域/フォルヒハイム(Forchheim)郡/ヴィーゼントタール (Wiesenttal)村)
Werde(1440年)8

●ヴェーア(Wöhr)(バイエルン州/オーバープファルツ行政区域/ノイシュタット=アン=デア=ヴァルトナープ(Neustadt a.d. Waldnaab)郡/グラーフェンヴェーア(Grafenwöhr)村)
古形確認できず

姓の分布から考えると、エックシュテット村にある地名ヴェーア(Wöhr)に由来している可能性が高い。 第一音節の母音がöに転じているのは、バイエルン方言に於ける円唇音化による。
[Gottschald(1982)p.525]
◆中高独werde←古高独werid「川中島、島」←ゲルマン*wariþam(a語幹中性名詞)「川中島、島」(古フリジアwerth,we(e)rd,wirth 「川中島、島、湿地帯中の丘」,古ザクセン*wėrith「川中島、島」)←PIE*wer-it-o-m(正常階梯+集合名詞形成接尾辞+ テーマ母音(語幹形成母音)+中性名詞単数主格語尾)←*wer-「気付く、見張る」9 。 英国の地名姓ワーズワース(Wordsworth)の第二要素-worthと同根。
1 Köbler mhdW. W項p.12
2 Gottschald(1982)p.525
3 Köbler idgW W項p.70
4 Bayerische Akademie der Wissenschaften"Historischer Atlas von Bayern: Teil Altbayern "p.95
5 Friedrich Hilble "Landkreis Pfaffenhofen a. d. Ilm"(1983)p.147
6 Matthias Thiel, Odilo Engels"Die Traditionen: Urkunden und Urbare des Klosters Münchsmünster"(1961)p.182
7 Ingrid Heeg-Engelhart"Analyse und Edition"(1990)p.不明
8 Hellmut Kunstmann"Veröffentlichungen der Gesellschaft für Fränkische Geschichte: Darstellungen aus der fränkischen Geschichte"vol.28(1971)p.46
9 Köbler idgW W項p.70、GDW vol.30 p.2323

執筆記録:
2010年11月22日  初稿アップ
PIE語根Wöhr-er:1.*wer-4「気付く、見張る」;2.語根不詳

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