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Werner, Wörner ヴェルナー
概要
古高地ドイツ語の男子名Warinhariに由来。後半は「軍隊」の意だが、前半要素の起源については諸説ある。
詳細
Hannus Werner(1382年Udwitz(Komotau付近))1
Franz Wernher(1459年Pilmersreuth(Eger付近))1

父称姓。Wernerの綴りでは、ドイツで28番目に多い姓(0.2364%)。現在でも使われてる男名ヴェルナー(Werner)の語源である 古高独ワリンハリ(Warinhari)2、ワリンヘリ(Warinheri)2、 ウェリンヘル(Werinher)2という男名より。第二要素は古高独hari,heri「軍団」だが、 第一要素の語源に関しては諸説あって定かでない。最も有力な説は古高独*Warin「ヴァルネン族(Warnen:ゲルマン人の一部族)」 由来説である。この民族名はローマ帝国の著述家による記録が有る。1世紀ローマの博物学者プリニウスの『博物誌 (Naturalis Historia)』にヴァンダル族の支族としてVarinae、1世紀から2世紀にかけて活躍した歴史家タキトゥスの 『ゲルマニア(Germania)』にVariniの綴りで現れる4。部族名は古高独warnōn「警告する、守る、 準備する、気をつける、心配する」5(=独warnen,英warn)との語源上関係が有ると考えられており、 「防御者」を意味する部族名と見られている6
或いはこれらの男名の前半部分は、直接古高独warnōn「警告する、守る、気をつける」を要素としている可能性もある。 いずれにしても、前半部分はPIE*wer-「覆う」に遡り、究極的には同語源。因みにWörnerの綴りは、Wernerの円唇音化に よるもので、バイエルン方言域に多い。
[Gottschald(1982)p.517,Kohlheim(2000)p.711,Bahlow(2002)p.548,p.562,Naumann(2007)p.284, Schobinger etc.(1994)p.174,Schwarz(1973)p.320,Heintze & Cascorbi(1999)p.]
◆古高独warnōn「警告する」←西ゲルマン*warnōn「警戒する、用心する」(古英warnian「警戒する」,古フリジアwarnia 「担保を預ける」,古ノルドvarna「警戒する、保つ」)(*-nōn-は動詞形成語尾)←*war-「警戒する」←PIE*wor-(О階梯)← *wer-「覆う」7。 
1 Schwarz(1973)p.320
2 Förstemann(1966)p.1544
3 Kohlheim(2000)p.763にヴァルネン族の名としてwarin,werinの語を挙げるが、 いずれも古高独辞書で確認できない。
4 http://de.wikipedia.org/wiki/Warnen
5 Köbler ahdW. W項p.32
6 http://en.wikipedia.org/wiki/Warini
7 英語語源辞典p.1546、Watkins(2000)p.100、Pokorny(1959)p.1160、Köbler idgW W項p.70

執筆記録:
2010年11月22日  初稿アップ
PIE語根Wern-er:1.*wer-5「覆う」;2.*koro-「軍団」

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