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(v.)Keith カイト
概要
①中高独kīt「新芽、新枝」に由来する渾名より。
②ランゴバルトgaida「槍」と同語源の男子名より。
詳細
テューリンゲン州中部に多い。以下の2つのルーツがある。

Hans Melcher Kydt(1643年Bremgarten(スイス))1

①ニックネーム姓。中高独kīt,kīde「新芽、新枝」2(>独Keid, Keit「新芽、米粒、些細なもの、 ≪ライン中流域方言≫(麦等の)穀物の新芽、≪ライン下流域方言≫少量」3)に由来する。恐らく、 小柄な人を表した渾名に由来する姓と思われる。ゴットシャルトは、この中期高地ドイツ語に「息子、子孫(Sprößling)」の意味も 当てているので、その意味の姓の可能性もあるらしい。
  [Gottschald(1982)p.285,Bahlow(2002)p.262]
②父称姓。ランゴバルトgaida「槍」4,古英gād「針、槍の先」4と同語源の古い ドイツ人男名ガイド(Gaido)5、カイデ(Caide)5より。  [Gottschald(1982)p.196,Heintze(1903)p.139]
◆中高独kīt,kīde←古高独kīdi「芽、若枝」←ゲルマン*kīþaz(a語幹男性名詞)「芽」(古英ċīþ「種蒔、芽、若枝」,古ザクセンkīth「芽、新芽」, フランク*kīþ「新芽」>仏scion>英scion)←PIE*gī-to-(ゼロ階梯+分詞・形容詞形成接尾辞)←*gēi-,*geiə-「芽吹く、裂く、開く」 (英chine(古語)「割れ目」,(方言)「深い小峡谷」,独keimen「芽吹く」)6。ゲルマン祖語形はケーブラーによる。 ゲルマン語派内の各言語で、テーマ母音や文法性が一致しておらず、識者によって異なった再建形が提示されている。例えば、 ワトキンズは*ki-dōn-。
◆ランゴバルトgaida←ゲルマン*ʒaiðō(ō語幹女性名詞)「針、先」(古英gād「(家畜を駆る為の)突き棒、点」(>英goad),ゴート*gaida「槍の先」 )←PIE*ghoidh-ā-(o階梯+女性名詞形成接尾辞)←*ghei-「刺す」(ギkhaîos,khaîon「羊飼いの杖」,サンスクリットhinásti「彼は傷付ける」)7
1 Joseph Kottmann "Das Strafrecht von Bremgarten 1258-1798: Eine rechtshistorische Studie." (1924)p.91
2 Lexer vol.1(1872)p.1567
3 DWB vol.11 sp.439
4 Pokorny(1959)p.424-425
5 Förstemann(1966)p.457
6 英語語源辞典p.1229-1230、Watkins(2000)p.25、Pokorny(1959)p.355、Köbler idgW G項p.6
7 英語語源辞典p.580、Watkins(2000)p.28、Pokorny(1959)p.424、Köbler idgW Gh項p.16

執筆記録:
2011年6月22日  初稿アップ
PIE語根①Kei-th:1.*geiə-「芽吹く、裂く、開く」;2.*-to-分詞・形容詞形成接尾辞
②Keith:1.*ghei-1「刺す」

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