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Eisenerz アイゼンエルツ(地名)
概要
「鉄鉱石」を意味するオーストリアの同名の都市の名。
詳細
地名。姓の用例を見ず、姓として存在するのは疑問。字義は「鉄鉱石」(中高独īsen「鉄」+中高独erze)。オーストリア、 シュタイアーマルク(Steiermark)州レオーベン(Leoben)郡にある都市の名で、エルツ山地(der Erzbergen)の麓にある。 地名の初出はAerze(1230年)1。後、im innern Eisenärzt(1293年) 1とある。中高独īsen「鉄」+中高独erze「鉱石」による。山地名と共に鉱山に関係しており、 鉱山の町かと思われる。
◆中高独erze(>独Erz「鉱石」)←古高独aruz(zi)「未加工の金属」←ゲルマン*arutjam,*aritjam(a語幹中性名詞)「鉱石(の原石)」 (古ザクセンarut「鉱石」,古ノルドertog,ortog(<*artia-taugo))←?。 語源不明。印欧語と解釈して英ore「鉱石、金属」(<古英ōra「鉱石、真鍮」),古高独ēr、ゴートaiz、古インドáya、ラaes,独ehern「青銅の」、アヴェスタ ayah「鉱石、鉄」と同根とし、 PIE*ayes-「金属、銅、青銅」に遡るとする説2と、古教会スラヴ語にruda「鉱物、金属」という語があり、rudaは古教会スラヴrudĭ「赤い」と関係付けられ、 古高独aruz「鉄鉱石」やラraudus「貨幣に使われる銅隗」,アルバニアarents「鋼」もPIE*reudh-「赤い」(英red)を語根と見る説もある3。尚、印欧語以外にも シュメールurud(u)「銅」,アッカドwaru,eru「青銅」,バスクurraida「銅」,フィンランドrauta「鉄」といった形義共に酷似する語が見られるが、語源的関係性の有無は不明。 
1 http://www.eisenerz.at
2 英語語源辞典p.999
3 Koebler idgW p.171
PIE語根:Eisen-erz:1.*eis-「激しく心を動かす」;2.(?)*ayes-「金属、銅、青銅」,(?)*reudh-「赤い」