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Adenauer アデナウアー
概要
コブレンツ付近のアーデナウという町の名に因む姓。「Ado(人名)の湿地・川中島」の意。
詳細
Laur. de Adenau(1334年Sinzig(Adenauの北東28㎞)の小作人)1, Pierre de Adenauw(1386年Nürburg)2

地名姓。正しくはアーデナウアー。ドイツ西部ラインラント=プファルツ州、コブレンツ(Koblenz)の 西38㎞にある町アーデナウ(Adenau:63Gf46)の名に因む。地名の変遷は以下の通り。
in Adenowe(1216年)3, 4
Adenawe(1387年)4
Adenauw(1389年)4
Damian von Adenawe(1473年人名)5
同名の川の名に因む。
河川名の初出はAdenoua fluvius(992年)3
字義は、「Ado(人名)の島・水辺の湿地」(管理人説)。Ado6は古高独adal「高貴な」を第一要素に持つ男名の短縮名。 この男名は弱変化男性名詞であり属格語尾は-nで現れる。従って前半部分のAden-は「Adoという男の(もの)」の意となる。 後半要素は古高独auwia,ouwa「湿地、島」7,中高独ouwe「川」8
H.バーロウは、語源不明の河川名Adana(非文証形か?確認出来ず)に、中高独ou(we)「湿地、川中島」(>独Aue)が 付いて生じたものと説明しているが、この様な得体の知れない河川名を引き合いに出さなくても、 古高地ドイツ語の単語や文法で完璧な形で説明できる地名である。 [Gottschald(1982)p.83,Bahlow(2002)p.5,Kohlheim(2000)p.77] 
◆中高独ou(we)←古高独auwia,ouwa「水辺の地、湿地、島」←ゲルマン*aujō「川、川中島」(ō語幹女性名詞) (英ait「(湖や川の小島」,island「島」,古フリジアā,ē「川」,古ノルドey「島」 )←*awjō「水」←PIE*akw-ā-「水」 (ラaqua,ヒッタイトeku-,aku-「飲む」)9。 cf.アイゼナッハ(Eisenach)

1 Bahlow(2002)p.5
2 "Analyse critique de la Collection des Diplomes, Sceaux, Cachets"(1836)p.112
3 http://www.wulfila.be
4 Stoob(1939)p.39
5 Johann Friedrich Schannat "Die Eiflia mit dem vollständigen Titel Eiflia Illustrata oder geographische und historische Beschreibung der Eifel"(1829)p.3
6 Förstemann(1966)p.152
7 Wahrig(1981)p.450
8 Lexer vol.2(1876)p.192
9 英語語源辞典p.740、Watkins(2000)p.2、Pokorny(1959)p.23、Buck(1949)p.29,34f.、Koebler idgW p.23

執筆記録:
2010年11月22日  初稿アップ
PIE語根:Eisen-ach:1.*at-al-「人種、家族」;2.*akw-ā-「水」

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